はじめに

2008年11月1日。暗号理論フォーラムのメーリングリスト上で「サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)」を名乗る謎の人物が銀行や単一の管理者を持たない全く新しい分散型のデジタル通貨【電子通貨ビットコイン】に関する論文を発表し始める。

世界の在り方を変容させるほどの技術を生み出した。その人物は2011年4月を最後に、誰にも正体を明かさぬままインターネット上から姿を消したのだった。

そして……10年以上の歳月が経ったある日。突如、SNSに“本物”のサトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)が現れ「全てのコードを集めた者に、私が保有しているビットコイン全てを譲渡する」と宣言する。

サトシ・ナカモトが保有すると言われるビットコインは110万以上(約3兆2000億円)。

世界中の人々が“サトシ・コード”探しに熱狂する中、コードに繋がるヒントを偶然手に入れた会社員の芥川 光啓(あくたがわ みつひろ)はサトシ・コードを追い求める中で、様々な不可解な出来事に翻弄されることになる――

※この物語は、一部の事実を基に創作されたフィクションです。
登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。